キャンドルライトカフェ&レストラン 小樽Muse

2010年6月19日のスタッフの日記より






演奏会の夜 (だんな)
 17日の夜には、日本フィル所属のヴァイオリニスト・斎藤千種さんと、美唄のピアニスト・奥山幸恵さんをお招きしてのミニコンサートを開催いたしました。札幌での演奏会出演のために来道された斎藤さんを、奥山さんが僕たちに紹介してくださる形で実現した今回のステージ。小樽でも数多くのお客様がずっと前から心待ちにしていたし、斎藤さんと奥山さんのお二人にとっても、Museでの演奏は特別な思いを持って迎えられたコンサートでした。オープニングを飾ったのはクライスラーの「愛の喜び」。ヴァイオリニスト・斎藤千種さんは、穏やかでやわらかい雰囲気の中に、はつらつとした明るさ、力強さも感じさせてくれる人。彼女のそんな魅力を、思い存分に伝えてくれる曲でコンサートは幕を開けました。ヴァイオリンの醍醐味をたっぷりと味わわせてくれる「中国の太鼓」などでは、奥山さんのピアノとの駆け巡るような疾走感に会場全体が釘付けになったし、モンティの「チャールダーシュ」では、哀愁とドラマに溢れたこの曲を、時に飛び跳ね、くるくると廻るように、リズミカルに演奏。豊富な音楽キャリアを誇りながら、ここでの斎藤さんは、音楽を前にして瑞々しいチャーミングさに包まれていました。アンコール曲となったのは、映画「セント・オヴ・ウーマン」でも使われた、ガーデルの感動的なタンゴの一曲。妻が大好きなこの曲を、ピアノとヴァイオリン、それぞれ2つの楽譜を組み合わせて、メインパートをどちらもが務めるような形に仕上げての演奏。それは感動的な、心の深くに大きな跡を残していくほどの、素敵な演奏でした。会場いっぱいに集まってくださったお客様は、心からの満足感に溢れていて、音楽のパワーの凄さにも改めて気づかされたほどでした。
 演奏会の30分の後で、お客さんと、そして演奏してくださった斎藤さん、奥山さんとの深い絆が出来上っているなんて、本当に素晴らしいことだと思います。最高の演奏を聴かせていただいたからだけではなく、音楽の中に演奏者の誠実さが織り込まれているからこそ、お客さんの胸にはより深い音楽の魅力が届いたのではないかと思います。ずっと前から知り合いだったような、でも初めて出逢ったときのような初々しさまで感じさせてくれるような…そんな素敵な気持ちを感じさせてくれた、爽やかな夜となりました。