キャンドルライトカフェ&レストラン 小樽Muse

2009年6月22日のスタッフの日記より






素晴らしかったコンサート(だんな)
 夏至の日となった昨夜、ついに行われた当店初の演奏会「奥山幸恵〜ピアノソロコンサート〜」。「さっぽろキャンドルナイト2009」の公認イベントにもなり、また広島から「平和の灯(ともしび)=原爆の残り火」が小樽に届き、その火を受け継ぐ儀式も、このコンサートと連動して当店で行われました。
 前夜までにご予約で満席、当日のご予約お問い合わせはすべてお断りせざるを得ないほどの状況となり、溢れんばかりの熱気の中で、予定通り18時に開演を迎えました。
 ふと思い返せば、このコンサートの実現は僕たち夫婦と奥山さんとの間で、ずっと以前から語り合っていた大きな夢でもありました。「いつか自分たちの店を持ったら、一番最初に奥山さんのソロコンサートを…」との思いは、ずっと遠い空の向こう側の話のように思えていました。2001年の初めての出逢いから、演奏家として素晴らしい経験と実績を重ねてこられた奥山さんにとってもまた、僕たちとの約束を叶える瞬間を、ついに迎えた場面でもありました。
 北欧の作品をセレクトしたプログラムは、豊かな自然の中から生まれた音楽らしく、美しさと穏やかさ、それに足腰の強さも感じさせてくれる大人の音楽。オープニングとなった「牧歌(メリカント)」では、リズミカルで親しみやすいメロディを、軽快に楽しく、時にダイナミックに演奏。「もみの木(シベリウス)」では、胸の奥にまで響く感動的なメロディが大きな余韻を残し、演奏後には一際盛大な拍手が向けられました。心に切々と届く「夜の浜辺にて(カスキ)」や、クラッシックの醍醐味をたっぷりと楽しませてくれる「家路(グリーグ)」など、あっという間の30分。奥山さんの選曲センスのよさはもちろん、北欧の曲には仰々しさとは無縁な、豊かな響きが丁寧に届いてくるような心地よさがありました。そこには、いつでも誠実さを忘れない奥山さんの人柄も見事に映し出されていたし、集まってくださった皆さんの心に、爽やかな風の通り道をつくって下さったような音楽でした。
 調律の畠さんはもちろん、愛さんもコンサートスタッフとして応援に駆けつけてくれて、素晴らしい形で終えることができた今回のコンサート。アンコール曲の「上を向いて歩こう」の素敵なアレンジに聴きいっているうちに、いろいろな思いをしみじみと振り返ると同時に、また新たな意欲が湧き出てきました。